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Cross talk

社長×専務対談

地域に寄り添う葬儀のかたち

Member

代表取締役社長

上野山 栄作

専務取締役 COO

上野山 瑞波

有田の地で、人々の最期のときを温かく見送り続けてきたオレンジライフ。その歩みは、一軒の桶屋から始まり、今や地域シェア90%、年間葬儀数600件を誇るまでに成長を遂げました。先代たちの想いを胸に、新たな時代へと歩みを進める今、会社の原点、そして未来への展望を、現社長と専務のおふたりに語っていただきました。

まずは、オレンジライフのはじまりについて教えてください

社長

桶屋を営んでいた曽祖父が、その流れで棺桶も作っていたと聞いています。祖父の代となった戦後から、本格的に葬儀業を始めたのが、私たちの家業のルーツ。父は中学時代から、リヤカーを引いて祖父の手伝いをしていたそうです。そして、葬儀屋の形が大きく変化した時代に、祖父は装飾や司会を独学で研究しながら、オリジナルの商品開発や独特の司会で評判を広げ、利益抜きで献身的に葬儀を行うなど、地域からの信頼を得ていきました。

専務

歴史ある家業を受け継いだ前社長は、地域活動にも熱心でしたよね。

社長

そうですね。父は、葬儀業界の地位向上を目指し、若い頃から地域活動を通じて人との繋がりを作っていたそうです。長年公民館長を務めた後、町の商工会長として地域に貢献。特に、市町村合併後の商工会統合には尽力したと聞いています。祖父が事業の基盤を築き、父が地域での信頼を確立した、という感じかな。

専務

社長が家業に入ったのはいつですか。

社長

父が商工会長に就任する少し前の、27歳のとき。時間に拘束される葬儀社の働き方に疑問を感じていたタイミングで、隣町の葬儀社からM&Aの話があがりました。そして1992年に株式会社有田葬祭(現 オレンジライフ)が設立され、当時30歳だった私に経営を任せてくれることになったんです。

前社長から承継された当時のことを教えてください

専務

社長がオレンジライフに携わるようになって間もない頃は、前社長と衝突することも多かったそうですね。

社長

人材の確保から資金調達、営業活動、商品開発など、全てが手探りの状態から始まりました。もちろんインターネットを通じて容易に情報を得られる時代でもありません。葬儀業界特有の閉鎖的な慣習も相まって、まるで深い谷に突き落とされたような心境でしたし、当然上手くいかないことばかりで、父とぶつかることが何度もありました。
それでも、何とかこの状況から抜け出そうと必死に日々の業務に没頭する一方で、若さゆえの勢いを活かして大企業との繋がりを築き、事業の発展を目指して奔走。父が故人への尊厳を何よりも大切にしていた姿勢こそが、葬儀社として1番大切にすべき姿だと気付いたのは、そうした経験を重ねてきたからだと思います。

専務

グリーフケア精神を軸にした「共感葬儀 シェア」のブランドが立ち上がったのも、その考え方あってのことですよね。

社長

その通り。それから、お客様の利便性や満足度を高めるためにアフター事業部を立ち上げて、葬儀後のお困りごとを解決したり、ギフト品や仏壇墓石の販売などを一箇所でできるようにしたり。また、「良いサービスは、良い人材から」と捉えて人材育成にも取り組み、特に、若い人材が頑張る会社というイメージを定着させるためのブランディングには力を入れました。代表取締役に就任後の2008年には、現在のオレンジライフに社名を変更し、今に繋がる葬儀以外の事業にも着手し始めました。
当時のことを思えば、苦労にも負けず果敢に挑戦し続けられたのは、「父の手の中」という安定した環境があったからなのかもしれません。だからこそ、今同じ状況にある専務にも、安心して自分にしかない色を出してほしいと思っています。

地域や葬儀業界へ、どのようなかたちで貢献されていますか

専務

葬儀社とは、地域の皆様の大切なときをお見送りする役割を担うものであり、地域社会全体に貢献する責任があると考えています。私が入社する前から、オレンジライフは地域の方々に喜んでいただくための様々なイベントや、次世代を担う青少年の育成事業、そして人々の絆を深めるための交流イベントなどを積極的に開催し、地域における存在意義を示す取り組みを重ねてきました。現在も、地域のさらなる活性化に貢献するために、新たな事業への発展を目指して活動の幅を広げています。

社長

私たちは、有田のライフエンドの充実を担うことが使命だと考えています。また、単に葬儀業を営むだけでなく、「企業として」地域の街づくりにも積極的に関わっているという点が重要なポイント。地域の経済循環や人口の維持をモットーに、ビアバーの運営や観光事業、宿泊業など、地域の方々が日々の生活を楽しく過ごせるような環境づくりに力を入れています。

専務

この地域がより住みやすく、住民同士が温かく繋がり、洗練された感性を持ちながら人生を謳歌できる。そんな魅力的な街になるよう、私たちがその中心的な役割を担うハブ企業になれたら最高ですね。

働くうえで、大切にしてもらいたいことはありますか

専務

私が、働くうえで大切だと思うことは、とにかく妥協しないこと。そして、興味を持ったことは徹底的に最上級を極めてほしいということ。それは仕事に限らず、私生活においても同様です。仕事と私生活、どちらも充実させることは、それぞれの質の向上に良い影響を与え合うもの。妥協することなく、興味を極める情熱を持ち続けることこそが、自身の成長の原動力となり、結果として質の高い仕事や豊かな人生へと繋がっていくはずです。そして、そのような生き方を支える環境こそが、これからの時代に求められていることではないでしょうか。だからこそ、私たちは社員一人ひとりが仕事と私生活を両立できるような環境整備に、精一杯努力を続けているところです。

社長

それに加えて、時間とタイミングを見誤らないこともとても重要だと思います。たとえ完璧な完成度に達していなくても、タイミングを重視し、為すべきときを逃さずに行動に移す。そして、最後まで諦めずにやり抜けば、完成度はおのずと高まり、成功へと導かれるのではないでしょうか。自身の立場を深く理解して、「その中で求められている役割は何か」「どうすれば顧客や社会のニーズを満たせるのか」を考え、企画し、それを達成することこそが仕事の真の醍醐味です。それは人生においても同じ。その人にしか創造できない、唯一無二の未来を自らの手で実現してほしいと願っています。

葬儀業界の未来をどう考えますか

社長

正直なところ、現在の葬儀業界は、価格競争に偏りすぎているように感じていて。もっと値段に見合う、真の価値が創造されなければならないのではないでしょうか。そのためには、故人に対する深い尊厳の念、ご遺族の悲しみに寄り添うグリーフケアに関する専門知識、そして故人の人生やご遺族のニーズに応えるセンスある企画力といった、単なる定型業務ではない総合的な力が求められると思います。もちろん、効率性を追求して価格を抑えるという考え方も一定程度必要ですが、消費者の方々に葬儀の持つ本質的な大切さを理解していただけるように、業界全体の意識改革を行って取り組んでいきたいと考えています。

専務

単に葬儀を執り行うという枠を超えて、ライフエンドに関わる様々な困りごとを解決できる事業形態へと進化していかなければ、この先、生き残ることは難しいと感じています。超高齢社会を迎えている日本において、この分野にはまだまだ大きなビジネスチャンスが眠っているはず。オレンジライフがその先頭を走り、業界全体の未来を切り開いていけるような、そんな存在になっていきたいです。

社長から専務へメッセージをお願いいたします

社長

この会社は、まだまだ私のカラーが強く残っていくことでしょう。ですが、その良い点と悪い点をしっかりと見極めて、これからの時代に合った社風へと柔軟に変革していってほしいなと思います。私はただ、社員を大切に、社員の家族までも自分の家族のように思える、そんな温かい経営者であってほしいと願っています。

最後に、専務から未来のスタッフへメッセージをお願いいたします

専務

社員の皆さん、そしてこれから入社される皆さんの力をお借りしながら、社長の熱い想いを受け継いで、社員一人ひとりはもちろん、そのご家族の幸せをも守れるような会社へと成長していきたいです。有田という、人と人との繋がりを何よりも大切にするこの地で、尊い命に関わる事業をさせていただいている会社だからこそ、私たちは明るい人生と希望に満ちた未来を創造できる。まだまだ未熟な私ではありますが、そう信じてもらえるような会社を皆さんと一緒に築き上げていきます。

代々地域に寄り添い、変革を続けてきたオレンジライフ。その根底には、常に「人」を大切にする温かい想いがありました。有田への深い愛情と、時代を捉える柔軟な発想で、これからもこの地で生きる人々のかけがえのない人生を、温かく、そして鮮やかに支え続けられることと思います。